2024年/令和6年版 岐阜県の公立高校入試の仕組み

これさえ知ればひとまず安心!
岐阜県の公立入試の仕組み

「岐阜県の高校入試ってどんな仕組みなの?」

「高校入試の対策はいつからやればいいの?」

中学生のお子様をお持ちの保護者の方は、このような疑問を一度は持ったことがあるのではないでしょうか。

高校入試の制度や特徴について知る機会は、それほど多くはないと思います。

岐阜県の公立高校入試には、おおまかに以下のようなポイントがあります。

  • ・高校ごとに内申と学力の評価のウエイトが異なるため下調べが必要
  • ・内申点は1年~3年の数値が検査の対象となるので1年生からの内申対策が重要
  • ・3年生の内申点は2倍で換算されるため、3年生は重要な学年
  • ・試験当日に点を取るための受験学力は必須。早期の対策が重要
  • ・部活動や課外活動での実績があると独自検査枠で受験することができる場合がある
  • ・得意科目があると傾斜配点で有利になる場合がある
  • ・岐阜高専を受験する場合は仕組みが異なるので注意が必要

この記事では上記のようなポイントについて、岐阜市・各務原市の個別指導塾であるCOTUS(コータス)が分かりやすくまとめています。私立入試の仕組みについてはこちらを参考にしてください。私立入試の仕組み

ポイントが分かれば対策の仕方も見えてくるはずです。この記事を読んでぜひお子様の進路選択に役立ててくださいね!

※記事内の複数のリンクは、岐阜県のサーバー内のページを呼び出しています。そのため、元のページが削除された場合、リンクが切れる場合があります。

入学者選抜のスケジュール

岐阜県の公立高校合格者を決める一連の検査は、「入学者選抜」が正式名称です。一般的に「入学試験」または「入試」というと3月に行われる「学力検査」を指すことが多いです。ここでは、合否に関わる一連の検査を「入学者選抜」、3月の学力検査を「入学試験」または「入試」で統一したいと思います。

入学者選抜は以下のようなスケジュールで行われます。実際の手続き等は青文字の部分のみで、2月から3月に集中しています。ここでは情報が開示されるタイミングなども記載しています。選抜の内容は毎年変更される可能性があり、新しい情報はこちらで公開されます。

4月3週目ごろ 入学選抜日程と概要の開示

本年度の入学者選抜の日程とそのおおまかな概要が開示されます。

6月3週目ごろ 入学者選抜要項の開示

入学者選抜の内容が詳細に開示されます。日程、出願方法、時間割など、選抜の仕組みの細かい部分が全てここに載っています。各高校の詳細はまだ開示されません。

7月4週目ごろ 各高校の実施概要、独自検査の要件の開示

各高校の実施概要では「内申:学力」の比重や実施科目などが、独自検査の要件では募集人員の割合や出願条件などが詳細に開示されます。入学定員はまだ開示されません。

11月1週目ごろ 各高校の定員および独自検査の募集人員の開示

各高校の独自検査を含む入学定員が開示されます。

仕組み

01入学者選抜(合否判定)の仕組み

入学者選抜は「第1次選抜」と「第2次選抜」とに分かれます。実際の選抜では、第1次選抜で多くの高校の定員は埋まり、合格者が定員に満たなかった高校において2次募集が行われ、第2次選抜が実施されます。

ここで特に大切なポイントは、以下の3点です。

  • 1.高校別に定められている「内申点:入試の得点」の比率
  • 2.内申点の計算方法
  • 3.入学試験(学力検査)の内容

※例外として「国立岐阜工業高等専門学校(岐阜高専)」の入試があります。岐阜高専の入試について知りたい方はこちらをご覧ください

内申点と入試の得点の比率

岐阜県の公立高校においては、内申と学力をどれだけの比重で検査するのかが高校ごとに定められています。こちらをご覧ください。

この表の「調査書:学力検査」の項目が該当する部分です。ここでの調査書が内申点であり、学力検査が中3の3月に行われる入学試験の結果にあたります。

たとえば学力をより重視した進学校等では、内申:学力=3:7 のように学力の比重が大きくなる傾向があります。また、商工業や農業など専門的な分野を学ぶ高校では、内申:学力=5:5 のように進学校などに比べると内申の比重が大きくなる傾向があります。

コータス生の通学範囲にある高校の一覧

※R3年度入学者選抜の数値です。

この数字を見れば、各高校が内申と学力をそれぞれどの程度重視しているかが分かります。どれだけ学力が重視される高校でも、3:7より学力の比率が高くなることはありません。このことから、岐阜県の公立高校に合格するためには、入学試験で点を取ることだけでなく、普段からどれだけ内申を取れているかが重要であるということが分かります。さらに次の項目で解説する内容は、内申の大切さをより裏付けるものです。

内申点の計算方法

内申点の計算方法は岐阜県により定められています。詳しくはこちらに記載がありますが、要点をまとめると以下のようになります。

※上記リンクはR5年度入学者選抜の内容であり、次年度では内容が変わる可能性があります。新しい情報は例年6月~7月ごろにこちらにアップされます。

  • ① 1年生~3年生までの内申点を合計(9教科)
  • ② 各学年の内申点は1年間の総合評価で算出される
  • ③ 中3の内申点は2倍で換算

これによって、次のように内申点を計算することができます。

内申点参考

例えば、次のような生徒の場合はどうでしょうか。

1年生の内申点:32 2年生の内申点:32 3年生の内申点:36 この生徒の内申点の合計点は

内申点参考

このようになります。ご覧のように1年生からの内申点が加算されるので、受験を有利に運ぶためには1年生のころから内申点を出来るだけ上げておくことがとても大切です。また、この生徒のように、3年次には内申点を大きくアップさせるチャンスがあります。

内申点の比重が高い高校のみならず、学力の比重が高い高校でも、以下のポイントは抑えておきたいところです。

  • ・1、2年生からなるべく高い内申点をとっておくと有利
  • ・3年次は内申点を大きくアップさせるチャンス

コータスの過去の受験生でも、高い内申点を獲得して合格を掴み取った生徒が大勢います。内申点を上げることは今すぐにでも出来ます。内申対策と受験対策の両方を意識すると、志望校合格により近づくことが出来ます。このことを是非覚えておいてください。

入学試験の内容

ここまで内申点のことについて述べてきましたが、入学試験の点数は合否が左右される重要な要素です。大切なポイントは以下の2点です。

  • ① 5教科全てが検査の対象
  • ② 出題範囲は1年生~3年生までに学習した全範囲

入学試験では5教科全てのテストが行われ、中学の3年間で習った全範囲から出題されます。基礎的な問題から応用力を問われる問題まで、幅広い難易度の問題が出題されます。定期テストの勉強とは違い、1ヶ月や2ヶ月程度では十分な対策ができません。中学3年の夏ごろまでに基礎を固め、秋以降には発展的な内容に取り組み実践力を付ける、というのが理想です。いつからなら間に合うということは断言できませんが、早めに取り組んだ方がより可能性を広げることになるのは確かです。

02例外的な合否判定の仕組み

傾斜配点の仕組み

理数科や国際コミュニケーション科などある科目に特化した学科については、入学試験での特定教科の得点を、最大1.5倍を限度に傾斜をつけて換算することが出来る定めがあります。

岐阜県内では、以下の3校が傾斜配点を導入しています。(R2年4月7日現在)

  • ・岐山高校 理数科:数学と理科を1.3倍換算
  • ・県立岐阜商業高校 国際コミュニケーション科:英語を1.5倍換算
  • ・大垣東高校 理数科:数学と理科を1.3倍換算

つまり、該当科目が得意な受験生にとって、傾斜配点を活用することでより有利に受験することができる可能性があります。

例えば以下のように、傾斜配点なしでの合計得点が等しい3人の受験生がいたとします。

これらの得点が、理数科目が1.3倍の高校を受験すると以下のようになります。

※560点満点に換算しています

ご覧のように、理数科目が得意な人ほど合計点数が高く、逆に理数科目が苦手な人ほど合計点数が低くなることが分かります。

傾斜配点の実施の詳細は、例年6月~7月ごろにこちらの「各高等学校の実施概要一覧」にアップされます。

面接や実技試験の実施

高校や学科によっては面接や実技試験が課される場合があります。実技試験が課されるのは加納高校の音楽科と美術科のみです。(R5年6月6日現在)

実技試験の詳細はこちらから見ることが出来ます。

独自検査の仕組み

部活動や課外活動などでの功績がある者を評価する制度が独自検査です。各高校は学科ごとの定員の30%までを独自検査によって募集することができますが、実際に独自検査を実施している高校は限られています。独自検査では、面接、小論文、実技検査、自己表現のいずれかを、各高校が定め実施しています。各高校の募集人員の割合、内容はこちらで見ることができます。選抜の内容は例年6月~7月ごろにこちらにアップされます。

国立岐阜工業高等専門学校の選抜方法

国立岐阜工業高等専門学校(岐阜高専)は岐阜県公立高校入試とは異なる選抜方法をとっています。推薦による選抜と学力検査による選抜があります。詳しい要件はこちらに載っていますが、ポイントをまとめると以下のようになります。

◦推薦による選抜について

推薦入試には推薦条件があり、推薦による選抜を受験するためにはその条件をクリアしている必要があります。

◦学力検査による選抜について

学力検査は社会以外の4科目のマークシート方式で、問題は国立工業高等専門学校機構が作成したものです。

◦共通

  • ・内申は2年生の学年末の数値と3年生の2学期又は前期の数値の合算値(満点90)で、推薦による選抜の場合はそれに×2、学力検査による選抜の場合は×3で換算されます。
  • ・岐阜高専が不合格だった場合は岐阜県の公立高校を受験することが可能です。

公立高校入試 過去問題

岐阜県の公立高校入試「第1次選抜」の問題を過去5年間分掲載します。過去問題を分析することで岐阜県の公立入試問題の傾向が見えてきます。是非これを参考にして、受験対策に役立ててください。

2024年(令和6年)入試の変更点

内容が確定次第、追記いたします。

まとめ

以上が岐阜県の公立高校入試の概要です。

岐阜県の入試では学力だけでなく、内申が重視されることが大きな特徴です。中3以外の方も早めに内申対策をしていくことで、受験でのアドバンテージを作ることができます。

ぜひ早めに取り組んで、志望校に合格できるように頑張って下さい。

これらのことを踏まえ、岐阜市・各務原市の個別指導塾COTUS(コータス)では過去の実績等を集約し、よりリアルな入試の仕組みについて3者懇談や個別相談会を実施しています。

その中で、より詳しい入試内容や各高校の偏差値、合格ラインや受験勉強の仕方などをお伝えしています。

長森・那加・蘇原・鵜沼地区周辺にお住まいの方で無料体験や入塾説明をご希望の方はお気軽にお電話もしくはHPよりお問い合わせください。

無料体験授業・資料請求はこちら